あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思ってるのはね、そのバラの花のために、ひまつぶししたからだよ
―サン=テグジュペリ『星の王子さま』内藤濯訳、岩波少年文庫、1998年改版 より
Waste your time for your rose.
―あなたのバラのために、時間を費やせ。
このサイト名は、サン=テグジュペリ『星の王子さま』に登場する、王子が自分のバラにかけた時間についての言い回し「ひまつぶしする」に着想を得ています。
この「ひまつぶしする」という日本語訳は、原語であるフランス語では「時間を失う/無駄にする」という意味の部分にあたります。動詞はperdre。英語訳ではwaste。
「自分にとって大切なもののために、積極的に時間を『無駄にして』いきたい。みんなもそうしていこうよ」 …... そんな気持ちを込めました。
私にとって、「(赤い)バラ」は、単なるロマンティックで美しい花ではありません。
赤いバラの花言葉は「真実の愛」。バラは私にとって、人との関係、アタッチメント(愛着)、言葉、記憶、精神性、倫理、創作など…… 目には見えなくても、「誰かの生を支えている大切なものすべて」の象徴です。
効率や成果だけを基準にすれば、何かに時間をかけ、じっくり関わろうとすることは、愚かで「タイパの悪い」ことに思えるかもしれません。たとえば、誰かを理解しようとすること、回復を待つこと、ことばを選ぶこと、子どもが育つのにつきあうこと、作品を創ること……
でも、バラは水をやらなければ、いつか枯れてしまう。花を咲かせることも、種を結ぶこともないでしょう。
星の王子さまがそうしたように、「その対象のために時間を使った、情熱やエネルギーを注いだ」という事実こそが、それをさらに自分にとってかけがえのないものに育てていきます。そしてそれがまた自分の生を支え、かつ、次の誰かの生につながっていくのです。
このサイトでは、発達、トラウマ、アタッチメント、ことば、物語、子ども、創作を中心に、人が自分や他者、そして世界との関係を育てていく過程について考えます。
答えや成果、救いは、すぐにはやってこない。
被造物の世界は、そのようにはできていない。
でも、希望を失わず、時間をかけつづけること。
目に見えないものを観察し、言葉にすること。
そんなふうにそれぞれの人が、自分にとっての「バラ」を大切にできる、そのための知識や表現を届けること。
Waste Your Time for Your Rose には、そのような活動方針への想いを込めています。